帰宅後すぐにコンタクトレンズを外す習慣が身についていなかったり、疲れていて後回しにしてしまったりなど、ついついコンタクトレンズを外すことを忘れたまま寝てしまったことはありませんか?
しかし、コンタクトレンズをしたまま寝てしまうことは、さまざまなトラブルの元となるため、非常に危険です。
このページではコンタクトレンズをしたまま寝るリスクについて解説します。
REASON
コンタクトレンズをしたまま
寝るのが危険な理由
目の健康を保つためには、コンタクトレンズの使用法を守ることが重要です。コンタクトレンズは、カテーテルや人工透析装置と同じ「高度管理医療機器」に分類されます。正しく扱わないと、目に大きな負担がかかってしまうため、慎重な取り扱いが必要です。
装用時間やケアなど、気にしなければポイントは多いですが、睡眠時も気をつけるべきなのは同じ。トラブルを避けるためにも、装用したまま寝てしまわないように、習慣づけましょう。家に帰って手を洗う際、ついでに外してしまうのがおすすめですよ。
では、コンタクトレンズをつけたまま寝ると、なぜ目の健康に悪いのでしょうか?理由を確認していきましょう。
目が酸素不足になる
角膜には酸素が必要ですが、血管がないので、空気中の酸素を涙に取り込んでいます。しかし、睡眠中は目を閉じているため、空気を利用することができません。そのため、寝ているときは、まぶたの裏側に通る血管からわずかな酸素を取り込んでいます。それでも、目を開けているときの1/3程度の量しか取り込めません。睡眠中は裸眼の状態でも、角膜が普段より酸素不足の状態ということになります。
起きているときよりも酸素が足りない中、コンタクトレンズをつけているとどうなるのでしょうか?角膜とまぶたの間にコンタクトレンズがあるので、ただでさえ少ない酸素が遮られ、さらに届かなくなり、角膜が酸素不足になってしまうのです。酸素不足が起こると、角膜の再生しない細胞が死滅したり、視力低下を引き起こしたりする危険性があります。
目が乾燥する
朝起きたときに、目が開けづらかったり、まばたきがしづらかったりした経験はありませんか?こういった現象が起こる理由は、寝ているときに涙がほとんど分泌されないからです。
涙は、悲しいときや辛いときに出るというイメージがあると思いますが、実際は常につくられています。涙は乾燥や刺激から守る役割があるのですが、睡眠中はほとんど分泌されません。そのため、寝ているときの目は普段よりも乾燥している状態といえます。
ABOUT TROUBLE
コンタクトレンズをつけたまま
寝ると起こるトラブル
コンタクトレンズをつけたまま寝ると、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。どのようなトラブルが考えられるのか、詳しくお伝えしていきます。
角膜に傷がつきやすくなる
コンタクトレンズをつけたまま寝た場合、涙が減少しているので、コンタクトレンズと角膜の間に摩擦が生まれやすくなります。そのため、角膜に傷がつきやすくなるのです。
結果、細菌などの微生物が傷に入り込んで繁殖し、炎症を起こしてしまう可能性があります。喉が炎症で腫れてしまったときと同じく、痛みや違和感がある場合があります。
酸素不足によるトラブル
角膜の酸素不足は、目に大きなダメージを与えます。酸素が足りないと、角膜の細胞が減少してしまったり、水分が溜まってむくみやすくなってしまったりなどが考えられます。また、前述したように、視力低下を引き起こす場合もあります。
目に貼り付いて取れなくなる
コンタクトレンズを付けたまま寝てしまって目の乾燥が進行した場合、コンタクトレンズが目に貼り付いて取れにくくなることがあります。コンタクトレンズは、普段涙に浮かんでいるので、直接角膜にくっついているわけではありません。しかし、睡眠中に装用していると、涙が分泌されていないため乾燥して、目に張りついてしまうおそれがあります。
なかなか取れなくなったり、取ろうとしたら痛みが生じたりしてしまう場合も。無理に取ると目を傷つける可能性があるため、どうしても取れなくなってしまった場合は早急に眼科を受診しましょう。
昼寝やうたた寝程度の仮眠は?
ちょっとした仮眠の際にも、コンタクトレンズを外すようにしましょう。お伝えしたように、コンタクトレンズをつけたまま寝ると、さまざまな病気や症状を引き起こしてしまいます。病気とまではいかなくても、目への負担は避けられないでしょう。また、ほんの少しの睡眠のつもりでも、うっかり長時間寝てしまうという可能性があります。
昼寝やうたた寝をしたいときは、面倒くさがらずに清潔な手でコンタクトレンズを外しましょう。仮眠が済んで再びコンタクトレンズをつける際には、ケアを忘れてはいけません。ワンデータイプの場合、再度装用することはできないので、新品と取り換えてください。
もしコンタクトレンズをつけたまま
寝てしまったら
どんなに気をつけていても、ついうっかり寝てしまうことがあると思います。このような場合、気づいた時点で速やかに外しましょう。
まず、手を洗って清潔にしてください。それからコンタクトレンズを外しますが、目が乾燥している状態のため、なかなか取れないことも。このような場合は、コンタクトレンズ用の目薬を使ったり、まばたきで涙を出したりして、目に水分を与えましょう。ただし、水道水で目を洗うのは避けてください。細菌などの微生物がいる可能性があり、感染症を引き起こすおそれがあるからです。
目が潤ってもコンタクトレンズが外れない場合は、眼科を受診してください。無理に取ろうとすると、目を傷つけてしまう可能性があります。